石川直樹(3年)、田口真由(3年)
フェダール農園
フェダール農園はコロンビア西部山脈と中央山脈の間に広がるカウカ県標高1,720mに位置するポパヤンにある農園です。ここではコーヒー農園としての側面の他に障害者就学・就労施設として100人以上の障害者が、元気に勉強と仕事に励んでいます。
通っている人の割合は7割が修学年齢の子供、3割が就業年齢に達した大人で、コーヒー栽培の他にも畜産(豚、牛、鶏)、陶芸、手工品等も行っており就学年齢者が卒業するといずれかの仕事を選びます。この農園は30年ほど前に障害児を持つ親が中心となり立ち上げた財団が近郊の農園を購入して始まりました。
当時は日本と違い、障害児が学校に入学できる制度が整っておらず、障害を持った子供たちは家の中や親の周りといった限られた世界で生活をしていました。 2008年にコーヒー栽培をスタートさせ、2012年にはコーヒーハンターの川島良彰氏(株式会社ミカフェート代表取締役社長)が直に栽培方法や収穫方法を指導されています。
「障がい者施設が作ったコーヒーだから、不味くても買ってあげようではなく、おいしいから買いたいと思われるコーヒー作りを目指しています。」と農園で働いているアナ・マリアさんはおっしゃっています。この言葉はフェアトレードのあるべき姿を表していると感じました。
コロンビアのコーヒー
コロンビアでは、酸味と香りを特徴に持つアラビカ種のコーヒーを栽培しています。アンデス山脈が縦断しているコロンビアは、美味しいコーヒーを作るには非常に適した土地です。高地が広がっていることで日中と夜間の気温差が激しく、この気温差が豊かな香りと酸味を生み出します。
全体として品質が高いことに加え、味のバラエティーが豊富です。また、コーヒー栽培には雨季/乾季が交互に訪れる気候条件が必要ですが、コロンビアでは地域によって雨季/乾季が異なるため、一年を通じて新鮮なコーヒー豆を収穫することができます。
コロンビアにおける課題
コロンビアのコーヒー生産量は、世界第3位を占めています。また、日本のコーヒー生豆の国別輸入量においてもコロンビアが第3位を占めています。一大生産国のコロンビアにおける問題は、一大消費国である日本にも影響を及ぼすことでしょう。 コロンビアでコーヒー栽培が拡大した20世紀初めには、経済をコーヒー産業に頼ることはありませんでした。
しかし、世界経済の変化に伴ってコーヒー産業への依存を強めていきました。コーヒー栽培で生計を立てられない農民が非合法な活動に関与してしまうことも少なくありません。 2020年にはコロナウイルスの世界的蔓延によりコーヒー豆の買いだめが起き、価格が高騰しました。
コロンビアでコーヒー産業に関わる多くは、中小零細規模の農家の人々です。彼ら・彼女らの持続的な生産を支援する仕組みづくりも必要とされています。
参照:FNC コロンビアコーヒー生産者連合会HP http://cafedecolombia.jp
株式会社ミカフェートHP https://www.mi-cafeto.com/brand/coffeehunters/29