ルワンダ・コーヒーからブルンジの経済発展を考える
(このインタビューは2018年に実施したものです。文中に出てくる肩書や学年はいずれも当時のものです)
「稲葉誠JICA国際協力専門員によるJICAルワンダ・コーヒー・バリューチェーン振興プロジェクト報告からブルンジの経済発展を考える」
Desty Nsengiyumva (3年)
稲葉誠JICA国際協力専門員のお話を聞く
12月13日に稲葉誠JICA国際協力専門員がお忙しい中、明治大学へお越しくださいました。事前に私たちが準備しお送りしていた質問に基づきながら、効率的かつ的確にお答えしていただきました。
なぜルワンダでコーヒーか ― その現状と課題
今回のインタビューで稲葉専門員にお聞きしたのは、ルワンダにおけるJICAのコーヒープロジェクトです。ルワンダは現在、ICTと観光業に力を入れていますがコーヒーもルワンダ経済には欠かせない大切な産品であるからです。
ルワンダのコーヒーは今や徐々に知られてきてはいるものの日本にはまだ多くは販売されていないのが現状です。稲葉専門員によると、その原因の一つはルワンダのコーヒーの生産量が少ないからとのことでした。ルワンダは小規模農園でコーヒーを栽培しているので多くのコーヒーを栽培するのは難しいそうです。しかし、生産の増で対応するのがルワンダにとって果たして良い方向になるかはまだ検討する必要があるようです。なぜならば生産量を増やしても消費者が好むものを作らなければ売れにくいからです。
ルワンダ・コーヒーの進むべき方向性
稲葉専門員は今のルワンダが行うべきことはルワンダ特有の「スペシャリティ・コーヒー」を作ることであるとおっしゃっていました。コーヒーは競争が激しいものであるため消費者を魅了する美味しいコーヒー(世界から買いたいと思わせるコーヒー)を提供する必要があります。
しかし、今のルワンダのコーヒーの栽培技術からはスペシャリティ・コーヒーを作ることは難しいそうです。なぜならば栽培技術が未熟であり、コーヒーが販売されるまでの過程(栽培から加工、乾燥、商品化等)も的確に行われていないのが現状であるからです。さらに、私たちが驚いたことは、生産者自身を含めルワンダ人はコーヒーをあまり飲まないということです。これは高品質なコーヒーを作るうえで妨げる要因にもつながってしまいます。
稲葉専門員はそれらをまず改善する必要があるとおっしゃっており、高品質なルワンダコーヒーを作るためにJICAの指導も行われているそうです。もちろん、最終的には生産の増で対応していくのか品質の改善に対応していくのかはルワンダ人自身が決めることだそうです。
ルワンダの経験をブルンジにも応用できるか
私は現在、ゼミで自分の母国であるブルンジのコーヒーについて研究をしていますが似たような課題がブルンジにも当てはまります。そのため、私は稲葉専門員のお話をお伺いする中でブルンジのコーヒーもどうあるべきかを再検討させられました。
最後に、この度は大変お忙しいスケジュールの中、貴重なお時間を割いてくださった稲葉専門員、本当にありがとうございました。今回はルワンダのコーヒープロジェクトについてでしたが、私の研究テーマであるブルンジのコーヒーを考える上で稲葉専門員のお話を参考にさせていただきたいなと思います。
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