「美味しいカカオを適正な価格で届ける」 MAMANO CHOCOLATE 江沢 孝太朗氏 インタビュー

内田大輝(4年)、鈴木匠(4年)

7月10日の島田ゼミに、MAMANO CHOCOLATEの代表である江沢孝太朗さんがお越しくださいました!

MAMANO CHOCOLATEは赤坂に店舗を持ち、「森と生きるチョコレート」のブランドコンセプトのもと、エクアドルの先住民組合との10年以上のパートナーシップによって、最高品質のアリバカカオからチョコレート​​を作られています。

今回はそのチョコレート作りにおいて、どのように生産地とかかわっていらっしゃるか、工夫されているかをお伺いしました。

カカオの実を持つ江沢孝太朗さん

MAMANO CHOCOLATEの原点

江沢さんはMAMANO CHOCOLATEを始める前、ベンチャー企業を経て、NPOに参加し、宮城県南三陸町の復興支援に参加されたそうです。その支援活動を行う中で、東京で物産展を開き、南三陸町の特産物を販売したことが原体験となり「関わる人全てに喜ばれて、且つそれが地球規模で行える事業がやりたい」と思うようになったそうです。

同時に途上国で暮らす人々の生きていく上での理不尽な状況がやるせなく、そこからエクアドルの先住民に目を向けるようになったとのことでした。エクアドルでは先住民がアリバカカオと呼ばれるカカオを作っていることを知り、美味しさに驚いたようです。

しかし、作っているカカオ豆の価格が安く、その高い品質と合っていないことを感じ、ダイレクトトレードで現地のカカオ生産者の現状を改善していこうと決意されました。

江沢さんの取り扱うカカオは美味しいからこそ高い値段で販売することができ、カカオ農家の利益、MAMANO CHOCOLATEのビジネスとしての利益、本当に美味しいチョコレートを食べることができる消費者の利益という、三者の利益を追求し続けたからこそ出来たことなのだと思います。

円になってゼミ生がお話をお聞きしている様子

円になってゼミ生がお話をお聞きしている様子

ママノチョコレートの由来とエクアドルの人々

MAMANO CHOCOLATEの「MAMANO」とは、母親を表す、「ママ」とスペイン語で手という意味がある「マノ」を組み合わせた造語で、「母の手」という意味を表しています。

カカオ生産に従事する女性をイメージし、さらなる女性の地位向上を願って、「ママノ」という名前をつけられたそうです。

エクアドルにあるカカオ組合はエクアドルを自立した国にするべく、カカオ豆の大規模な発酵を始め、カカオ生産者に安定した収入を提供するために高いモチベーションを持って努力しているそうです

カカオ農家の持続的な発展のために、具体的に取り組まれていることの一つとして、カカオを適正価格で買うことが挙げられます。安く買い叩かれているカカオ豆を、自分たちが品質に見合った値段で購入し、それが品質の高いものだと周りに認識してもらうことで、次第に取引価格も上がっていくことを目指しているとのことです。

現地のカカオ農家が品質向上に携われることは3つあります。

1つ目は、品種改良です。一度に多くのカカオ豆が採れる品種が推奨される中で、自分たちはどの品種を選択するのかが、重要になります。

2つ目は、カカオを育てる土壌を選択すること、そして整備することです。

3つ目は、発酵方法の選択です。自然発酵か品種発酵か、家庭で発酵するのかカカオ組合のもとで発酵するのか、それぞれの選択次第でカカオの品質は大きく左右されます。

カカオとカカオ豆

最後に

質疑応答のあと、私たちはカカオニブを試食させていただきました。カカオニブはチョコレートの原料となるもので、硬い外皮に覆われています。匂いを嗅いでみると、発酵しているためか納豆に似た香りがしました。硬い外皮を割って食べてみると、ピーナッツのような食感で、噛んだ瞬間カカオの香りが口の中に広がりました。

カカオニブを試食している様子

カカオニブを試食している様子

カカオ豆を割った中にカカオニブが入っており、サイズはピーナッツほど

カカオ豆を割った中にカカオニブが入っており、サイズはピーナッツほど

カカオニブの時点でとても美味しく、本当に質の良いカカオを扱っているのだなと感動しました。

学生一同緊張していましたが、江沢さんは質疑応答でも親身に話を聞いてくださり、そのおかげか質問も活発に出て議論も大変盛り上がりました。今回お話いただいたことを今後の学びに活かし、また赤坂の店舗にもお伺いしたいと思います。

MAMANO CHOCOLATE の詳細はこちらからご覧ください。

江沢さんと島田ゼミチョコレート班のメンバー

江沢さんと島田ゼミチョコレート班のメンバー

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