「地域に溶け込めるお店を目指して」 【後編】 ー音楽喫茶“On a slow boat to …”店主 白澤茂稔さん インタビュー
4年 白鳥真菜
さて、前回に引き続き、on a slow boat to… 店主の白澤さんへのインタビューをお送りします。音楽だけでないお店の魅力、白澤さんの熱い想いを語っていただきました!
「深煎りで美味しい」自家焙煎珈琲へのこだわり
ゼミで珈琲を勉強している私達にとって、気になるのはやはり珈琲。ということで、お店で提供している珈琲へのこだわりについてお聞きしました。
「トレンドの浅煎り珈琲は、珈琲の果実としての酸味を楽しめるのが良いですよね。一方で、喫茶店で昔ながらの珈琲といえば深煎りがメインです。うちでも、深煎りにした時に香りがよく、味わいの深い珈琲豆を選んでいます」
表参道の「大坊珈琲店」がとても好きだったという白澤さん。お店で飲んだイエメンのモカがきっかけで、深煎り珈琲の魅力にハマっていったそうです。
私も、お店のイチオシ珈琲ひとつである「マンデリン」を頂きました。コクが深いけれど一切雑味がない、また甘味も感じられる、とても美味しい珈琲でした。珈琲×チーズケーキのセットもおすすめ。とてもよく合います。
「濃厚というよりも、ほのかな酸味のあるすっきりとしたチーズケーキです。こだわった素材の良さを活かしてシンプルに仕上げています。これがとても好評なんですよ」
↑焙煎についてインタビューし動画(1分56秒)にさせていただきました。
次に、お店をやっていて嬉しい瞬間は?というシンプルな疑問をぶつけてみたところ、「帰りがけに『ごちそうさま。美味しかったです。』と言ってくださるお客様が多い。かなり多くて、それは凄く嬉しいですね。」と白澤さん。
「ごちそうさま」という事はあっても、「美味しかったです」と声をかけることは、実はあまりないかもしれません。そう言いたくなってしまうのは、白澤さんや白澤さんの作る居心地のよい空気感からなのでは、と感じます。
「今後やりたい事は、たくさんあります」
コロナ禍のため、人の集まるライブやイベントなどは満足にできていなかったそうで、「少しずつイベントを開催していきたいです。珈琲やお酒を飲みながら、ジャズのライブや読書会、好きなテーマで語り合う会、金継ぎ(割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって修復する伝統的な技術)講座など。色々な切り口でできたらと思っています」と、今後のイベント開催に意欲的でした。
金継ぎ講座についてはもう計画を進めているそうで、「先生をお呼びして、本漆を使った本格的なものを、お手頃価格でやりたい」とのこと。
気になる方は是非、今後のお店のホームページやSNSなどをチェックしてみてください。
「地域に溶け込めるお店を目指して」
on a slow boat toがオープンして約8ヶ月。この8ヶ月で、白澤さんの中に心境の変化があったといいます。
「オープン当初は、ジャズ関係のお客様が多かったり、自家焙煎にこだわりを持ってやっていたりするので、静かに楽しんで欲しいなと思っていました。そういう人が楽しめるお店がいいなと。でも今は、地域に溶け込みたいという思いが強いです。地域や大学との繋がりを強化していきたい。」
コロナ禍でオープンしたお店ですが、集客にはそこまで苦労しなかったそうです。その理由は、音楽仲間やよく行く喫茶店の協力があったから。そんな地域の人々との密な繋がりが神保町の魅力だといいます。
「ぜひ、学生さんにも来て欲しいです。お店に来て普通に食事をするのもいいし、ゼミナールの発表会なんかを開催するのもいいですね」
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今回の訪問を快く受け入れてくださった白澤さん、ありがとうございました!特別に珈琲焙煎の様子も見せていただき、大変勉強になりました。
on a slow boat to… は、その名前の由来の通り、ゆったりと落ち着いた時間を過ごせる場所だと感じます。年齢、性別問わず、様々な方に足を運んでいただきたいです。
そして私達島田ゼミも、神保町という町に溶け込み、地域の方々の街づくりに少しでも関わっていけたら、と思います。これからも、魅力あふれる神保町を発信していきます。
本インタビューの前編はこちらです。